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2022.11.10

事業所得と雑所得の違い

 起業するにあたって、会社を辞めていきなり起業するよりも、働きながら副業の形で起業し軌道に乗って十分な利益が出た段階で本業とするパターンも増えてきております。副業の確定申告をする上で悩ましいのが『事業所得』として申告するか、『雑所得』として申告するかです。

雑所得と事業所得の違い

 まずは、雑所得と事業所得の違いを下記の図で確認しましょう。

項目 雑所得 事業所得
事業に関係する経費の計上
給与所得等との損益通算
純損失の繰越(3年間)
青色申告特別控除(65万円)
青色専従者給与
設備投資等の税制優遇

事業に関係する経費の計上

 事業に関係する経費に関しては、雑所得であっても経費として認められます。

給与所得等との損益通算

 事業所得から生じた損失に関しては、他の所得と相殺(損益通算)することができます。ですので、例えば給与所得がプラスで事業所得がマイナスの場合には、確定申告をすることにより還付を受けることができます。

純損失の繰越(3年間)

 損益通算後において、なお事業所得に損失が残る場合には、3年間損失を繰り越すことができます。

青色申告特別控除(65万円)

 事業所得の場合には、最大で65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

青色専従者給与

 通常は配偶者等の親族(生計が同一である)に対して給与を支払ったとしても経費に計上することができません。ただし、事業所得で一定の要件を満たした場合には経費として計上することができます。(ただし、配偶者等には給与所得が生じる)

設備投資等の税制優遇

 事業所得では、設備投資を行った際に通常は減価償却(一定期間にわたって経費を計上)をする必要があるものも一括で経費計上できる場合等があります。

まとめ

 以上のとおり、結論だけ言えば、副業であったとしても事業所得として申告できるのであれば事業所得として申告する方がお得です。ただし、事業所得に該当するか雑所得に該当するかは任意に選択できるわけではありません。別の記事で事業所得に該当するか雑所得に該当するかの判断基準に関して説明いたします。