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2021.6.28

起業後に事業が軌道に乗るまでどのくらいの期間を要するのか?

 今回は起業後に事業が軌道に乗るまでの期間に関して解説いたします。本記事での事業が軌道に乗るとは、とりあえずギリギリ食べていける状況になることを言います。

事業が軌道に乗るまでの平均期間

 事業が軌道に乗るまでの期間は業種にもよりますが、半年から1年はかかると考えた方が良いです。創業期に事業が軌道に乗るか否かを決めるのは集客ですので、自身のターゲットとなるお客様に認知され仕事の依頼が来てコンスタントに集客できるようになるまでには早くても半年はかかります。

 ただし、上記はあくまでしっかりとした準備をして起業した場合に軌道に乗るまでの期間ですので、準備不足の場合にはもっと期間を要しますし、最悪の場合には廃業することになります。

事業を早期に軌道に乗せるための準備

 では、事業を早期に軌道に乗せるためにはどのような準備が必要なのでしょうか?私は起業前に下記の点を明確にした上で起業することをおすすめしています。

  • 自身が営むビジネスの販売ターゲットを明確にする
  • 集客の導線に関する計画を立てる
  • 月間の受注限度数を把握する
  • 事業に必要な固定費とギリギリ食べていくのに必要な利益から最低限必要な受注数を把握する
  • 受注限度数と最低限必要な利益から可能な値引き額を算定する

自身が営むビジネスの販売ターゲットを明確にする

 ビジネスによっては、年齢層や性別に関わらず広い層に向けてサービスや商品を提供できます。ただし、創業時の集客においては、みんなに向けて広告宣伝活動を行っていてもあまり効果がありません。ですので、仮に老若男女に関わらないビジネスであったとしても客層の優先順位は決める必要があります。

集客の導線に関する計画を立てる

 上記のターゲットが明確になれば基本的には優先度が一番高い客層に向けて導線を考えます。例えば、客層が65歳以上の高齢者であればチラシをメインに考え、リスティング広告は高齢者の子供や孫に見てもらい高齢者の集客につなげることが考えられます。また、できる限り実際に対面するリアルマーケティングの手段も決めておくと良いです。

月間の受注限度数を把握する

 現在の人工(にんく)でどれだけの受注をこなすことが出来るのかをしっかり把握する必要があります。そして、集客の導線ごとの受注見込みに関しても明らかにすると良いです。

事業に必要な固定費とギリギリ食べていくのに必要な利益から最低限必要な受注数を把握する

 サービスや商品の予定の販売単価は既に決めていると考えられるため、下記算式によって最低限必要な受注数を把握します。

(固定費+最低限必要な利益)÷(予定販売単価―変動費)=最低限必要な受注数

※固定費には賃料・人件費・広告宣伝費・減価償却費等があります。
※変動費には仕入原価・販売手数料等があります。

受注限度数と最低限必要な利益から可能な値引き額を算定する

 中小零細企業は薄利多売のビジネスはすべきではないと言われています。たしかに、安さを売りにした事業の拡大は私も反対です。ただし、創業期に集客のために期間を限定して安価にサービスを提供することについては選択肢の一つとして有効であると考えております。

下記の算式で値引き額を計算します。

予定販売単価―{(固定費+最低限必要な利益)÷受注限度数+変動費}=値引き可能額

※受注限度数は月間の最大数に8割~9割を乗じた方が現実的な金額となると考えられます。

まとめ

 今回は事業が軌道に乗るまでの期間に関して解説しましたが、事前準備をしっかり行った上で半年~1年ぐらいかかります。ですので、事前準備を怠るとさらに期間を要することから資金ショートによる廃業のリスクが高まります。次回は、1年経過しても事業が軌道に乗らない場合に撤退するか継続するかの判断のポイントに関して解説いたします。