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2021.11.05

個人事業主が開業後にすべき届出関係

 下関・北九州で税理士事務所を開業しております税理士の得丸です。今回は個人事業主が開業にすべき届出書類に関して解説いたします。

主な届出書類

 主な届出書類とその提出期限は下記のとおりとなります。

区分 提出期限
開業届 事業開始の日から1ヶ月以内
青色申告承認申請書 原則として開業の日から2ヶ月以内
青色専従者給与に関する届出書 原則として開業の日から2ヶ月以内
給与支払事務所等の開設届出書 開設の日から1ヶ月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 随時
雇用保険被保険者資格取得届 翌月10日まで

※雇用保険被保険者資格取得届以外は、管轄の税務署に提出する必要があります。

開業届

 個人事業主が開業した場合には必ず提出が必要な書類となります。提出をしないことによる罰則はありませんが、後述する青色申告承認申請書は開業届の提出がなければ提出することが出来ませんので、開業後必ず提出が必要な書類となります。

青色申告承認申請書

 個人事業主として事業を開始した場合にとりあえず提出しておくことをおすすめする書類です。専門家に依頼しない場合には、65万円の青色申告特別控除は少しハードルが高いかもしれませんが、10万円控除なら受けられる可能性が高く、また開業年度に損失が生じた場合にはその損失を繰り越すことが出来ます。

青色専従者給与に関する届出書

 同一生計の親族に支払う給与は原則として必要経費に算入しないが、青色専従者給与に関する届出書を提出することにより、適正額の範囲内で必要経費に算入することが出来ます。

給与支払事務所等の開設届出書

 個人事業主として従業員を雇用し給与の支払いが生じた場合に届出が必要になります。ちなみに、青色専従者に対して給与を支払う場合もこの届出を提出する必要があります。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

 従業員に給与を支払う雇用主は源泉徴収を行う必要が生じます。特に何も届出ない場合には毎月徴収と納付を繰り返すことになりますが、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出することにより年二回の納付で済みますので事務負担が軽減されます。

雇用保険被保険者資格取得届

 従業員(青色専従者を除く)を雇用することになった場合に一定の事由に該当するときは雇用保険被保険者資格取得届をハローワークへ提出する必要があります。

まとめ

 今回は、個人事業主が開業後にすべき届出関係に関して解説いたしましたが、中でも青色申告承認申請書は必ず提出したほうが良いです。確定申告のみ税理士へお願いしようと12月から2月下旬にかけてお問い合わせをいただくことがありますが、青色申告承認申請書が未提出であるため、特別控除が受けられなかったり、損失を繰越せなかったりと、もったいないと思うことがよくあります。