融資の部屋

2021.6.11

1,000万円以上の創業融資を希望するなら協調融資を活用しましょう!

 今回は、協調融資に関して解説いたします。

協調融資とは?

 協調融資とは、複数の金融機関が協力して融資を行うことを言います。創業融資の場面では、日本政策金融公庫の新創業融資制度を活用した融資と信用金庫又は地方銀行の保証付融資の協調融資が考えられます。

 これまでは、1000万円以上の融資を希望する場合には日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金が有力でしたが、現在は無担保・無保証枠が1,000万円に減少したため(以前は2,000万円)今後は協調融資の活用機会が増すことが予想されます。

協調融資を利用する方法

 創業期は銀行とのつながりもないため、日本政策金融公庫にて公庫と他の金融機関との協調融資を受けたい旨を直接伝える方法が一番簡単な方法です。もちろん、しっかりとした創業計画を作成した上で資金の用途が明確であり、一定の自己資金や経験を有している必要があります。

協調融資のメリット

 協調融資のメリットは創業期に1,000万円以上の融資を受けることが出来ること、日本政策金融公庫の融資に関しては無担保・無保証で融資を受けることが出来ることです。(仮に他の金融機関で一括して1,000万円以上の融資を受けることが出来るとしても、経営者の保証が必要になるため、経営が立ち行かなくなった場合には残債務のすべてを経営者が弁済する必要があります。)

協調融資のデメリット

 協調融資のデメリットは、融資実行までに時間がかかることです。日本政策金融公庫単体で融資を受ける場合には1ヶ月ぐらいで融資が実行されますが、協調融資の場合には融資が実行されるまでに2~3ヶ月ぐらいの期間を要します。また、日本政策金融公庫の審査を通過しても、もう一つの金融機関の審査が通過しないリスクもあります。この場合には日本政策金融公庫からの融資も実行されません。

まとめ

 今回は、協調融資に関して解説いたしました。協調融資は、創業期では借りるのが難しい1,000万円以上の融資も複数の金融機関がリスクを分散することによって借りることができる便利な制度です。ただし、審査には時間を要しますし創業計画や資金使途もより明確である必要があります。ですので、1,000万円以上の融資を希望される場合には専門家の支援を受けることで融資の実行確立を上げると良いでしょう。