融資の部屋

2021.9.13

無担保・無保証で借り入れができるマル経融資とは?

 下関・北九州で税理士事務所を開業しております税理士の得丸です。今日は、無担保・無保証で融資を受けることが出来るマル経融資に関して解説いたします。

マル経融資とは?

 マル経融資とは、正式名称を「小規模事業者経営改善資金」と言います。このマル経融資は商工会議所(又は商工会)と日本政策金融公庫が連携して融資をする制度です。簡単な概要は下記の通りです。

貸付限度額 2,000万円
返済期間 運転資金7年以内(据置期間1年以内)
設備資金10年以内(据置期間2年以内)
担保・保証人 不要
利率 1.21%

 最大の特徴は無担保・無保証で借入ができる点にあります。無担保・無保証で融資を受けることが出来る制度は限られていますので、非常に魅力的な制度ではないかと思っています。

マル経融資を受けることが出来る者

 非常に魅力的な融資制度であるマル経融資ですが、融資を受けるための条件があります。

  • 常時使用する従業員が20人(商業またはサービス業(宿泊業および娯楽業を除く)に属する事業を主たる事業として営む方については5人)以下の法人・個人事業主の方

  • 最近1年以上、商工会議所地区内で事業を行っている方(商工会地区の方は「商工会地区内」となります)

  • 商工会議所の経営・金融に関する指導を原則6ヶ月以上受けており、事業改善に取り組んでいる方(商工会地区の方は商工会の経営指導となります)

  • 税金(所得税、法人税、事業税、都道府県民税等)を完納している方

  • 日本政策金融公庫の非対象業種等に属していない業種の事業を営んでいる方

※1番の注意点としては、原則として商工会議所(又は商工会)の指導を6ヶ月以上受けている必要があるため、急ぎで資金が必要になった場合などは融資を受けることが出来ません。

融資実行までの流れ

 融資実行までの流れは下記の通りです。

 融資を受けるまでには、商工会議所の経営指導、商工会議所の審査、日本政策金融公庫の審査が必要になりますので、余裕をもってしっかりとした事業計画のもと融資を申し込むと良いでしょう。

まとめ

 本日は、マル経融資に関して解説を行いましたが、やはり融資実行までのプロセスが長いことはネックになります。しかし、無担保・無保証は魅力的ですし、年利1.21%も中小企業にとっては良心的です。事業計画をしっかり立てていれば融資実行までの期間が長くてもさほど問題にはなりません。ですので、緊急の融資(コロナを除く)というよりは事業計画に沿った運転資金ないし設備資金のための融資と考えた方が良いです。

 また、事業規模が大きくなるとこの融資制度を利用できなくなってしまいますので、この点に関しても注意が必要ですね。小さい規模であっても、事業計画をしっかり立てて経営を行っていくことは非常に重要ですのでマル経融資をうまく活用することで事業の拡大を目指せます。