融資の部屋

2021.10.12

創業融資を断られた際の対処法とは?

 下関・北九州で税理士事務所を開業しております税理士の得丸です。今日は、日本政策金融公庫に創業融資を申込んで断られた際の対処法に関して解説いたします。

融資を断られた理由を整理する

 融資を断られた場合には、頭が真白になってしまうかもしれません。ただし、必ず断られた理由を聞く必要があります。融資を断られた理由によっては、再度しっかり準備をして融資審査に挑めば融資が通る可能性があります。

再度の融資申し込みで融資実行がされる可能性があるもの

  • 事業計画が不十分

  • 自己資金が不足している

  • 資金使途が不明確(同業種と比較して高額であり、その理由が明確でない)

※日本政策金融公庫の場合に一般的には半年経過後でなければ再度融資を申込んでも融資が通りづらいと言われています。これは、通常現在の問題点を認識し改善するためには最低でも半年間は必要であると考えられるためです。

ただし、断られた理由によっては半年を待たずに再度融資申込みを行い融資が実行される場合もあります。

再度の融資申し込みで融資実行がされる可能性がないもの

  • 信用情報にキズがある

  • 事業に関する経験がない

※信用情報にキズがある事が理由で断られた場合には、融資を受けることは困難です。また、事業に関する経験がない場合に業種にもよりますが、事業計画をしっかり練りなおして可能性が少しある程度と思った方が良いでしょう。

再度融資を申込む際の注意点

 融資を断られた理由が再度申込めば融資が実行される可能性がある理由であれば、基本的には専門家に相談してしっかりと準備をした上で融資を申込んだ方が良いです。例えば、事業計画に問題がある場合にご自身でブラッシュアップした事業計画を作成するのはほぼ不可能ですし、自己資金に関しても資産の保有状況からプラスできるものが発見される場合もあります。

 ただし、専門家にお願いして見栄えの良い事業計画書が出来たとしてもそれを事業主がしっかり理解していなければ、融資担当者との面談時にボロがでてしまい、事業を成功させるための事業計画ではなく、融資を受けるための事業計画であると判断されてしまいます。ですので、事業主が事業計画の内容をしっかり理解することはとても大事なことです。

すぐに融資を受けたい場合

 日本政策金融公庫に断られた場合に前述のとおり半年以内に再度申込んでも融資が実行される可能性は高くはないです。ですので、半年後までにしっかり準備をして再度申込む方が良いのですが、すぐに融資を受けたい場合には信用金庫・信用組合等の民間の金融機関に相談することも選択肢として検討すべきです。そして、ケースによって異なりますが日本政策金融公庫と信用金庫等に同時に融資を申込んでみることをおすすめします。

 同時に融資を申込んで大丈夫なのかと思われるかもしれませんが、制度上は可能です。ただし、どちらも融資審査が通った場合に原則としてはどちらかの融資を断ることになります。(正確には設備資金として融資を申込んだのか、運転資金として融資を申込んだのかで異なります)

まとめ

 本日は、日本政策金融公庫に創業融資を申込んで断られた際の対処法に関して解説いたしましたが、正直一度断られてしまいますとその履歴が残りますので初めからしっかり準備して融資審査に挑むよりも若干融資実行までのハードルが上がります。また、コロナ関係の融資の影響もあり、個人的には日本政策金融公庫の創業融資の審査が厳しくなるのではないかと考えております。

 ですので、絶対に融資審査を通りたい場合には専門家に相談すべきですし更に時間的にも少し余裕をもって相談したほうが良いです。事業計画に関しては事業主の方としっかり時間をかけて作りこまなければ、融資を通るための事業計画書になってしまう恐れがあります。