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2021.12.03

フリーランスで白色申告するぐらいなら税理士に依頼して青色申告したほうが逆にお得です!!

 北九州・下関で税理士事務所を開業しております税理士の得丸です。今回はフリーランスで白色申告の方は税理士に依頼して青色申告にした方が逆にお得になるケースを紹介したいと思います。

青色申告特別控除

 既にご存じの方も多いと思いますが、青色申告の承認を受けた方で一定の要件に該当する場合には、青色申告特別控除として最大65万円を所得から控除することが出来ます。詳しい青色申告特別控除の内容に関しては、こちらの記事をご確認ください。

 この青色申告特別控除が適用されると、年間の税理士報酬以上の節税効果が得られることがよくあります。

具体例

 さっそく具体例を見ていきます。

前提条件

年齢:30代
配偶者:なし
社会保険:国民健康保険・国民年金
所得控除:基礎控除・社会保険料控除以外なし
所得:所得控除前で500万円
※事業税及び国民健康保険の均等割りに関しては、青色申告でも白色申告でも差がないため今回は省略、国民健康保険の料率は下関市の料率を使用

1.白色申告の場合

① 所得控除前所得
5,000,000円

② 所得控除
基礎控除 480,000円 + 社会保険料控除 747,720円 = 1,227,720円

③ ① - ② = 3,772,280円

④ 所得税
3,772,000円 × 20% - 427,500円 = 326,900円 × 1.021 = 333,764 → 333,700円

⑤ 住民税
(3,772,000円 + 50,000円) × 10% = 382,200円

⑥ 国民健康保険
(5,000,000円 - 430,000円) × 12%(後期高齢者支援金分含む) = 548,400円

⑦ ④ + ⑤ + ⑥ = 1,264,300円

⑧手取り
5,000,000円 - ⑦ = 3,735,700円

2.青色申告の場合(65万控除)

① 所得控除前所得
5,000,000円 - 650,000円 = 4,350,000円

② 所得控除
基礎控除 480,000円 + 社会保険料控除 747,720円 = 1,227,720円

③ ① - ② = 3,122,280円

④ 所得税
3,122,000円 × 10% - 97,500円 = 214,700円 × 1.021 = 219,208 → 219,200円

⑤ 住民税
(3,122,000円 + 50,000円) × 10% = 317,200円

⑥ 国民健康保険
(4,350,000円 - 430,000円) × 12%(後期高齢者支援金分含む) = 470,400円

⑦ ④ + ⑤ + ⑥ = 1,006,800円

⑧手取り
5,000,000円 - ⑦ = 3,993,200円

3.青色申告(65万円)と白色申告の手取り比較

青色申告 3,993,200円 - 白色申告 3,735,700円 = 257,500円

※ 青色申告(65万円)と白色申告を比較すると年間で約25万円手取りが変わることとなります。ですので、年間の顧問料報酬が25万円未満(当事務所の最安プランは17万円(申告のみの場合には5万円)です。)であれば白色申告をするよりも税理士に依頼する方が逆に手取りが増えることとなります。

まとめ

 今回は青色申告特別控除の65万円が適用されるか否かで手取りがどの程度違うか確認いたしましたが、65万円控除の影響が所得税のみと思っている方は意外と多いです。ですので、あまり所得がない場合に65万円に所得税の最低税率の5%を乗じて3万円ぐらいなら別いいかと考えがちですが、所得税だけでなく住民税の計算にも影響しますし、国民健康保険の計算にも影響しますので注意が必要です。

 少なく見積もっても、16万円(65万円×(所得税5% + 住民税10% + 国民健康保険10%))ぐらい手取りが増えます。