会社設立の部屋

STEP3

会社設立の流れ~定款を作成する~

 今回はSTEP3に該当する定款の作成に関して解説します。

定款に記載すべき事項

 定款作成時には下記の事項の記載が必須となっております。

  1. 商号
  2. 目的
  3. 本店の所在地
  4. 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  5. 発起人の氏名及び住所
  6. 発行可能株式総数

商号

 会社名を記載します。注意すべき事項に関してはSTEP1で解説しておりますのでご確認ください。

目的

 会社が行う事業を目的として記載します。(目的の最後には「上記各号に付帯する一切の業務」の文言を記載します。)なお、設立当初は行う予定がないとしても事業計画に設立後一定の期間経過後に行う業務がある場合には記載しておくことをおすすめします。(設立後に目的を追加する場合には、株主総会を開催した後に法務局へ変更登記の申請を行う必要が生じますしその際に3万円の登録免許税を負担する必要があります。)

本店の所在地

 定款では本店所在地の記載は最小行政区間(例えば、○○県○○市)までの記載でOKです。もちろん地番まで記載することは可能ですが、同一の市の中で本店を移転する場合に株主総会を開催し定款を変更する必要があります。なお、登記に関しては地番まで記載する必要があります。(ですので変更の際には最低でも登録免許税を3万円の負担が必要です。)

設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

 基本的には現金を出資することになると思われますので、その出資する現金の額を記載します。

発起人の氏名及び住所

 発起人の氏名及び住所を記載します。(発起人とは、会社の株式を取得し会社設立の手続きをする人の事を言います。)

発行可能株式総数

 公開会社(株式の譲渡制限を定めていない会社)でない場合には、設立時の発行可能株式数の制限はありません。ですが設立時の発行株式数の10倍ぐらいを目安に設定すると良いでしょう。

定款作成時の注意点

 上記に記載のある項目は絶対的記載事項ですが、その他にも記載した方が良い項目がありますので注意が必要です。例えば下記の通りです。

  • 事業年度に関する記載
  • 株式の譲渡制限に関する記載
  • 取締役の選任は累積投票によらない旨の記載
  • 相続人等に対する株式の売渡し請求に関する記載

 ご自身で定款を作成される場合には、定款の絶対的記載事項以外にも実質的に絶対的に記載したほうが良い事項があることを把握した上で定款を作成することをおすすめします。(最寄りの公証人役場の事前相談も活用すると良いでしょう。)

まとめ

 今回は定款の作成に関して解説いたしましたが、定款には絶対に記載する必要がある絶対的記載事項と相対的記載事項(記載すれば効力が生じる事項)があります。実務上は実質的には絶対に記載したほうが良い事項がありますので絶対的記載事項だけを記載した定款には注意が必要です。

 会社設立までに十分な時間があっても定款の作成に関して一から勉強することに抵抗がある場合には、司法書士に依頼し定款の中身に関して詳しく教えてもらいながら作成することの方がコストはかかりますが結果として良い場合があります。